首里城有料区域の評価額は100億円 損害保険の支払限度は70億円


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 首里城の主要7棟が焼失した件で、首里城を管理運営する沖縄美ら島財団が契約している損害保険会社は、建物や収蔵品を含む首里城有料区域全施設の損害保険評価額を100億3500万円と査定した。11日の県議会の説明会で、同財団が明らかにした。同財団は年間2940万円の保険料を支払っており、保険金の支払限度額は70億円だが、どの程度支払われるかは今後の保険会社による査定で決定されるという。同財団は「限度額は70億円で、それ以上支払われることはない」と説明した。

 評価額は、年間の保険料を決めるために損害保険会社が建物の価値を基準に算出した。沖縄総合事務局によると、復元した当時の首里城の建物費は約73億円。内訳は、正殿が約33億円、北殿と南殿、奉神門を合わせて約21億円、その他約19億円となっている。

 首里城で保管していた美ら島財団が所有する琉球王国時代の美術工芸品1510点の収集費は、寄付などを財源とする「首里城基金」から約16億円を支出していた。少なくとも431点が火災で焼失した可能性があり、同財団は被害状況を確認しているとした。