大学からPCB破棄物なくなる 付着したサンプル管2本と空瓶12個 総重量は0・06ミリグラム 収集から5年、現物確認できず


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琉球大学が紛失したPCB廃棄物。撮影は収集時の状態(同大提供)

 琉球大学は13日、2014年5月に学内で収集・保管した有害物質ポリ塩化ビフェニル(PCB)の廃棄物を紛失したと発表した。紛失したのは研究用の試薬が付着したサンプル管(容量5ミリリットル)2本と薬液を保存するバイアル空瓶(同2ミリリットル)12個で、付着していたPCBの総重量は推定0・06042ミリグラム。人体、環境への被害は確認されていないという。

 同大によると、紛失したPCB廃棄物は密閉できるビニール袋に入れ、環境安全施設内の「特別管理産業廃棄物PCB廃棄物保管場所」にあるドラム缶内で保管していた。保管していたPCB廃棄物を処理するため、ことし10月9日に台帳と保管場所の現物を突き合わせて確認したところ、紛失が判明した。保管場所には鍵が掛かっており、係員以外は出入りできないようになっているという。

 PCB廃棄物を保管する事業者は、毎年1回、県に保管状況を届けることが義務付けられており、同大は台帳を元に届け出ていた。収集から紛失判明までの5年間、現物を確認しておらず、紛失した日時は分かっていない。紛失に気付いた後、収集時の関係者へのヒアリングや一時的に保管されていた可能性のある場所の捜索などを行ったが、見つからなかったという。