首里城再建へ新プロジェクト発足 燃え残った建材で小物作成、寄付者に贈呈 宮城県の東洋ワーク


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首里城再建に向けた活動の開始を発表した東洋ワークの須佐尚康社長(左から3人目)、東洋ワークセキュリティ沖縄の高原實社長(右端)、あすらまんの比嘉正詔社長(左から2人目)、いけばなインターナショナル沖縄支部の座間味正子氏(左端)=13日、那覇市西のパシフィックホテル沖縄

 人材派遣業の東洋ワーク(宮城県)の須佐尚康社長は13日、那覇市西のパシフィックホテル沖縄で記者会見し、首里城再建を支援するため「首里城大火災消滅遺産収集プロジェクト委員会」を同日付で立ち上げたと発表した。首里城の火災で残った木材や灰などを活用して小物を作成し、寄付者に贈呈する取り組みなどを通じて全国から支援金を募る。

 同委員会は首里城の火災で燃え残った建材から再建に活用できない資材を引き取り、キーホルダーやオブジェなどに加工して寄付者に贈呈する手法を検討する。現在、子会社の東洋ワークセキュリティ沖縄を通じて那覇市の担当部署と調整を進めている。募金活動や小物製作など、支援可能な企業や個人に入会を呼び掛ける。現在、文化事業などに取り組む「あすらまん」と「いけばなインターナショナル沖縄支部」が賛同している。

 須佐社長は「燃え残った建材の一つ一つも貴重な遺産であり、残すべきだと考えている。がれきとして処分するとそれで終わりだが、形として残すことで火災の記憶を風化させず、支援につないでいける」と述べた。

 東洋ワークはグループで約40社、約8800人の社員を抱え、19年8月期のグループ売上高は約280億円に上る。須佐社長は東日本大震災で東北が被災した際に全国から支援が集まったことや、原発事故で職場や住居を失ったグループの社員が沖縄で避難生活を送った経緯などを説明し、「沖縄に恩返ししたいとの思いがあった」と語った。

 活動に関する問い合わせは東洋ワークセキュリティ沖縄(電話)098(943)1321。