福島原発問い米映画祭3位 沖縄の小学6年生 辺野古の作品も構想


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
国連本部で行われた映画祭の授賞式でスピーチする松山航世さん(提供)

 米国の非営利組織ザ・ピースメーカーが主催する平和映画祭ピース・イン・ザ・ストリートフィルムフェスティバルの授賞式と上映会が6日、米ニューヨークの国連本部で開かれ、沖縄アミークスインターナショナル小学校6年の松山航世さん(11)が「9~13歳の部」で3位に輝いた。松山さんは福島第1原発事故を題材にした5分間の動画「沖縄の小学生が見た福島原発」を出品した。 

 松山さんは福島県を訪問し、自主避難者への賠償実現に尽力した渡辺淑彦弁護士や、被災者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)について調べている精神科医の蟻塚亮二氏らを取材。インタビューを軸に福島の現状を伝え「本当に原発は必要なのか、必要じゃないのか」と問い掛けた。

 核燃料廃棄物の処理の問題や、事故が起こった場合に人の心も体も傷つけてしまうことなどを挙げ「原発に代わる新しいエネルギーを考えたい」と、松山さん自身の考えも表明した。

 松山さんは「今、福島がどうなっていて、福島の人が何を考えているのか伝えたかった」と、動画制作の意図を説明した。

 授賞式のスピーチでも英語で思いを伝え、動画を見た観客らと意見交換もできたという。

 今後は米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設と憲法の関係を作品にする構想を練っている。作風についても「インタビューだけではなく、分かりやすいようにドラマも入れ、ドキュメンタリードラマに挑戦したい」と話し、さらなる成長を誓った。

松山さんが平和映画祭に出品した動画「沖縄の小学生が見た福島原発」の一場面