名護高、猛攻耐え栄冠 全国高校ラグビー県予選 2年連続「花園」へ 接戦を制した決め手は…


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2年連続18回目の優勝を喜ぶ名護の選手ら

 ラグビーの第99回全国高校大会県予選最終日は14日、名護市の21世紀の森ラグビー場で決勝を行った。8年連続でえんじ色(名護)と深緑(コザ)の伝統のジャージーがぶつかり合った一戦は、双方とも持ち味を発揮。最後まで接戦となったが、前半で3トライを挙げた名護がコザの猛攻に耐え、22―12で宿敵を倒し、2年連続で「花園」への切符をつかんだ。東大阪市の花園ラグビー場で行う全国大会は、12月27日に熱戦の幕を開ける。

後半、モールで攻めるコザに意地の守り 名護

名護―コザ 前半、守備を振り切ってトライを狙う名護の島袋大成(手前)=14日午後、名護市の21世紀の森ラグビー場(大城直也撮影)

 FWを起点にBKが守備を切り裂く名護に対し、FWがモールでごりごり押していくコザ。双方の持ち味がぶつかり合った伝統校同士の決勝は、後半30分間、コザの猛攻を耐えに耐えた名護に軍配が上がった。

 前半、風上に陣取った名護はキックを効果的に使い前進する。前半8分、インゴール手前中央でパスを受けたSO具志堅竣祐が左へ走り込み、右側から2人のタックルを受けながら左手一本でWTB島袋大成へつなぐ。そのまま島袋が飛び込み、先制点を奪った。

 16分、23分にもパス回しやスチールからトライを奪い、19―0でリードを広げた名護。「前半はFWが当てて、BKがスペースを突くコザ対策がはまった」(宮城剛監督)

 しかし、コザのFWが徐々に圧力を増し、ラックからパスを回さずにそのまま突進する「ピックゴー」を繰り返し始めると、流れが変わる。前半ロスタイムにLO田部井優斗がラックからインゴールに飛び込み、反撃ののろしが上がった。

 後半開始早々の4分、コザのLO名護宏弥が同様な形からトライを奪い、点差は7点に。その後もモールを主体に攻め続けるコザだったが、名護も耐える。「コザのビデオを見て、対策を徹底した」(PR新城俊介)とミスを誘い、追加点を許さず逃げ切った。

 宮城監督は「週末にOBたちが練習に付き合ってくれた」と体力面の強化を図ってきたことを勝因に挙げる。花園でのチーム目標は16強入りだが、まず目指すのは初戦突破。CTBの島津孝典主将は「もっとハードワークして、コザの分までしっかり戦いたい」と気合を入れた。
 (長嶺真輝)

モール徹底するも及ばず コザ

名護―コザ 後半、トライを決めて仲間と喜ぶコザの名護宏弥(右)

 「折れたら負けるぞ」。前半に3連続トライを奪われ一時19点のリードを許したコザだったが、FBの金城主樹主将を中心に互いを鼓舞し、FWが守備の圧力を高めて後半は攻め続けた。しかし、7点差まで詰め寄るのが精いっぱい。金城は「最初の3本が良くなかった」と立ちあがりの悪さを悔やんだ。

 昨年の雪辱に燃え、走り込みや戦術面を強化してきたコザ。後半になってもFWの圧力は落ちず、モールでしつこく攻め続けた。負けはしたが、辺土名斉朝監督は「体を張ること、ラグビーに対する理解の面で成長した」と目を細める。

 1、2年生は部員13人で「まずは部員集めから」(辺土名監督)と一からの再スタートとなるが、金城は「2年続けて悔しい思いをしたので、来年こそは優勝して花園に行ってほしい」と後輩に夢を託した。


▽決勝
名護 22―12(19―7,3―5)コザ
(名護は2年連続18度目の出場)