白保竿根田原洞穴遺跡を国史跡に指定へ 文化審答申 国内最古約2万7千年前の人骨発見


この記事を書いた人 問山栄恵
新たに国史跡に指定するよう答申された白保竿根田原洞穴遺跡(県教育委員会提供)

  国の文化審議会(佐藤信会長)は15日、国の史跡として石垣市の「白保竿根田原洞穴遺跡」を新たに指定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。同遺跡では国内最古となる約2万7千年前の人骨などが発見されており、学術的な価値の高さが評価された。近く、官報による告示で正式に指定される。
 
 遺跡からは保存状態の良好な多量の人骨が発見された。旧石器時代に相当する更新世人類の人骨を伴う墓葬と墓城の発見は、国内初の事例だった。石灰岩洞穴や岩陰を利用した葬送俗習の長い歴史をたどることが可能とし、文化審議会は「形質人類学的な重要知見をもたらした画期的な意義を持つ」と評価した。

  答申を受け平敷昭人県教育長は「大変、うれしく思う。白保竿根田原洞穴遺跡はわが国の正しい歴史理解のために欠くことができず、遺跡の規模、遺構、出土遺物唐で学術上価値がある」とコメントした。

  遺跡は石垣空港内にあり、現地保存されている。

  文化審議会はこのほか、特別史跡1件、史跡名勝天然記念物18件の新指定と、追加指定等29件、登録記念物の新登録5件を答申した。【琉球新報電子版】