日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)と琉球銀行(川上康頭取)は15日、パイロットを志望する県内学生の支援制度を始めると発表した。琉銀が融資制度をつくり、高額な費用がかかる資格取得を支援することでパイロット志願の学生の確保につなげる。
通常パイロットになるまでに、専門学校の学費や訓練費用など合わせて1900万~2千万円がかかる。高額な費用を理由に進路を断念する学生や、職業の選択肢に入れない学生もいるという。
琉銀は資格取得までに2千万円の借入枠を設定し、訓練費や寮費、国家試験受験料など、その都度必要な金額を借りることができるようにする。
専門学校に入学してJTAの操縦士になるまでの2年間は、利息のみの返済となる。JTAに入社して15年経過すれば、残金の約1400万円強相当はJTAが返済する。JTAが連帯保証を請け負うことで無担保となる。
琉銀の川上頭取は「来年は第2滑走路ができ、路線拡充に伴いパイロットも必要になる。うちなーパイロットの育成を手伝っていきたい」と話した。
本制度の1期生として来年3月卒業予定の琉球大学生2人が決定している。2期生までは、JTAが包括連携協定を結ぶ琉球大から募集するが、3期生以降は他大学に対象を広げることを検討している。
JTAの青木社長は「沖縄出身のパイロットを安定的に育成・確保していくことは、沖縄の経済の発展につながる」と述べ、支援制度のメリットを強調した。