区有地に許可なく道路敷設 沖縄県座間味村 区民、道路必要も説明なく憤り


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 【座間味】沖縄県座間味村が同村阿真区の区有地に、区の許可なく村道の一部を敷設していたことが16日までに分かった。道路の一部は地目が「畑」となっており、同村農業委員会に事前調整を行っていなかった。区民からは「道路は必要」としながらも「事前の説明は最低限、必要だ」と憤りの声が上がっている。村産業振興課は「(道路の敷設は)区や村、観光客のためという過信があった。必要な段階を踏まなかったことは申し訳ない」と話した。

 道路が敷設された場所は、観光客が多く訪れる阿真ビーチから集落に向かって伸びる道。今月初旬にアスファルトで舗装された。

 村は2018年5~6月頃に開かれた区総会で、村道を含めた周辺一帯の開発について「予定を説明した」としている。これに対し区民は「確定事項として説明を受けたことはない」「総会での説明は職員住宅の建設など全体像の話で、区有地を使って村道を造るなど具体的な説明はなかった」と話している。同区評議員の一人は「予定を話すことで『説明した』と認識するのは横暴だ。区民も農業委員会も軽視している。小さな島だからよくあることだと思わないでほしい」と話した。

 村産業振興課は本紙の取材に対し「決定事項として説明を行ったことはない」「事前に説明した方がよかった」と回答。その上で「区の総意ではないが、住民から要望もあり、集落奥の住宅や民宿がある区有地部分にもアスファルトを敷いた」「集落奥の住宅にも道をつなげるため、どうしても区有地の一部に道路を通す必要があった。区が望むなら道を前の状態に戻す」と説明した。