「定員内不合格なくして」 れいわ舩後議員に訴え 重度知的障がいの息子に学ぶ場求める両親「教育受ける機会が失われている」


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舩後靖彦氏(右端)へ協力を求める仲村晃さん(中央)と美和さん(左端)=19日、国会内

 【東京】重度の知的障がいがあり、県立高校への入学を希望している仲村伊織さん(16)の父晃さん(53)と、母美和さん(51)が19日、国会内で舩後靖彦参院議員(れいわ新選組)らと面談し、希望者全員の入学が実現するよう協力を求めた。定員内不合格を出さない取り組みが大都市で進んでいることを踏まえ、両親は障がいの有無を超えて同じ場で学ぶインクルーシブ教育の普及を求めた。

 面談で両親は、東京や神奈川、大阪など大都市では、定員に空きがある高校は入学希望者を受け入れているが、沖縄では毎年千人余の定員が空いているのに100人以上の不合格を出している現状を批判。「教育を受ける機会が失われている」と指摘した。

 晃さんは、高校進学を希望しても入学できない場合、「子どもの貧困問題や、生きづらさにもつながる」と、定員内不合格を問題視した。美和さんは、高校受験で不合格になった伊織さんの「どうして」という言葉を振り返り、「強く高校に行きたいと思うことが、この子の能力。あきらめる人生を歩む方が怖い」と涙ながらに語った。

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後氏は両親の話に涙を流しながら聞き入った。介助者を通じ「定員内でありながら点数が取れないことで障がいのある生徒が高校に行けないのはインクルーシブな社会づくりに反する」と述べ、参院文教科学委員会で取り上げる考えを示した。

 両親は木村英子氏(れいわ新選組)、福島瑞穂氏(社民)、横沢高徳氏(国民民主)とも面会した。車いすを使う横沢氏は「障がいの有無にかかわらず自分が望む生き方を選択できる社会をつくらなければならない」と話した。

 晃さんは「(解決の)入り口が見えてきた」と述べ、今後も取り組みを進める意向を示した。