フリーランスの連合体「久米島ギルド」発足 島外への資本流出防ぎ、地域活性化


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「久米島町複業・フリーランサーギルド」について説明する石坂達さん=10月19日、久米島町謝名堂

 【久米島】久米島町はこのほど、個人事業主や複数の仕事を掛け持つ人たちの連合体「久米島町複業・フリーランサーギルド」(複業ギルド)を立ち上げた。町内の事業を受託し、町外への資本流出を防止、地域経済を活性化させるのが狙い。既に20人ほどのメンバーが集まっており、第1弾企画として町内でのウエディングを構想している。

 本年度は一般財団法人「地域活性化センター」(東京)の助成を受け、久米島町の合同会社「PLUCK」が事務局を担う。代表の石坂達(とおる)さん(34)=町真謝=は東京のITコンサルタント企業勤務を経て、今春まで同町の地域おこし協力隊として移住促進に取り組んだ。

 石坂さんによると、これまで同町では仕事の受け皿が少なく、コンサルタント業者など町外企業が受注することが多かったという。そこで「地域内にお金を回し、人材育成につなげる案件あっせん所」(石坂さん)として、複業ギルドを設立。カメラマンやウェブデザイナー、司会業など約20人が登録している。

 メンバーはホームページ(HP)で公開され、HPから直接、仕事を依頼できる。まちづくり計画の作成やイベント開催など複数人が関わる案件は、事務局がメンバーを調整する。メンバーにはウエディングプランナーもおり、チームで町内ウエディングの実施を検討している。

 石坂さんは「久米島は地域経済が小さい。いろんな仕事を組み合わせることで所得が増え、生存力が上がる」と複業の意義を強調。「それぞれが持てる力を発揮できる場にしたい。島の自治力アップにもつながると思う」と話している。
 (真崎裕史)