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存在そのもので魅了 “樹木希林”を生きる

 書店に並ぶ“樹木希林本”の多さに圧倒される。世の中の人はこんなにも樹木希林が好きだったのか。全身のガンをものともせず生き、そして死んだからか。放蕩(ほうとう)を繰り返す夫を離縁もせず愛し続けたからか。彼女の存在そのものが人々を魅了する。なぜそうもしなやかに強く生きられるのだとわが身に無い要素を探し羨望(せんぼう)する。

 テレビのドキュメンタリー番組に未公開映像を加えて制作された作品なれば、どこかで見た映像も多い。それでも、樹木希林という人間のしなやかさや人と比べない生き様に、「世間が」「普通は」と言い訳ばかり優先する我が身に鉄ついが振り下ろされるようで心地よい。

 監督の木寺一孝氏が、密着取材を続ける中で、樹木希林に圧倒されて弱音を吐く場面。お前(監督)の人生を見たいわけじゃないと批判もありそうだが、良いじゃないか。そんなことさえも言わせてしまう樹木希林に会えるのだから。

“せっかくできたシワだからもったいない”そんなセリフ言ってみたい。

(スターシアターズ・榮慶子)
 



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