FC琉球、あす最終戦 故郷思い重責担う主将・上里


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24日の最終戦を前に、緊張感を持ってゲームに臨む上里一将主将(中央)=22日、中城村のごさまる陸上競技場(喜屋武研伍撮影)

 サッカーJ2のFC琉球(14位)は24日午後2時から、山梨県の山梨中銀スタジアムでヴァンフォーレ甲府(6位)とリーグ最終戦を行う。琉球は今季の目標とする勝ち点50まであと1に迫っている。樋口靖洋監督は「達成できるのとできないのでは全然違う。トライして来季につなげたい」と最終戦に臨む。

◆樋口監督も全幅の信頼 決意新たに最終戦へ

 「まだまだ足りない」「僕たちはチームで戦わなければ弱い」「全然だめ。みんな自分勝手」―。主将の上里一将(33)は今季、勝った試合でも厳しい言葉を並べてきた。「いずれは琉球がJ1で活躍できるように、そうしていかなければならない」。プロ16年目で故郷に戻り、琉球を引っ張る重責を担い続けている。

 左足から放たれる正確無比なキックを高く評価され、2004年に当時J2の北海道コンサドーレ札幌でプロデビュー。宮古島から初のJリーガーとなった。09年、新任の石崎信弘監督にリーダーシップを買われ、チーム史上最年少で主将に抜てきされた。

 同年、リーグ序盤の湘南戦で他選手との接触で裂傷のけがを負うが次節にゴールを挙げた。13年には右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負ったが、J1昇格プレーオフ進出が懸かっていたため強行出場した。「チームのために人生を懸けなければならない」と背中で語り続けてきた。

 今季は39試合に出場。48試合に出た09年の札幌に次ぐ記録だ。

 樋口監督は「出ていない選手への目配りや気配りまで先頭に立ってくれる」と全幅の信頼を置く。

 試合には「小さい時から飲んでて、落ち着く」と大好きなさんぴん茶を欠かさない。沖縄を愛する主将は「仲間と寄り添いながら成長できるよう頑張りたい」と決意を新たに最終戦へ乗り込む。

(喜屋武研伍)