奇跡のピアノが沖縄にやって来る 東日本大震災の津波から復活 来年1月新報ホールで沖縄初公演


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 2011年3月11日の東日本大震災の津波被害からよみがえった「奇跡のピアノ」が沖縄にやって来る。20年1月13日、那覇市の琉球新報ホールで「いのちよ響け『奇跡のピアノ』沖縄コンサート~『さとうきび畑』とともに~」(同実行委員会主催、琉球新報社共催)が開かれる。沖縄での公演は初めて。

コンサートの前に「奇跡のピアノ」の調律を行う遠藤洋さん=2018年3月11日、福島県南相馬市の絆診療所

 福島県いわき市の豊間(とよま)中学校のグランドピアノは、震災の日、卒業式で演奏された後に津波に襲われた。がれきの中から救い出されたピアノを地元の調律師、遠藤洋(ひろし)さんが引き取り、1万点以上の部品を交換するなどして修理を継続している。

 その年のNHK紅白歌合戦で嵐の櫻井翔さんが演奏したことでも知られる。その後、海外も含めて70カ所以上で演奏されてきた。

 救出直後からこのピアノを取材してきたフリーアナウンサーの大和田新(あらた)さんは、毎年被災地でこのピアノを主役にした「絆コンサート」を開催している。そこに出演したのがソプラノ歌手の寺島夕紗子(ゆさこ)さんだ。

 寺島さんは「さとうきび畑」を作詩作曲した故寺島尚彦さんの次女。沖縄でも何度も歌っている「さとうきび畑」を福島で歌い、来場者と共に命の尊さをかみしめてきた。

 今回のコンサートでは寺島さんらのほか、地元からピアニストの大城英明さんがソロ演奏する。福島の思いを共有し次世代につなぐために那覇ジュニアオーケストラ、那覇少年少女合唱団、那覇市立石嶺小学校合唱団も出演する。

 公演は1月13日(成人の日)の午後2時と午後6時半開演の2回。チケットは前売り一般2500円、高校生以下千円(当日500円増し)。午後4時から大和田新さんのミニ講演会(入場無料)も開催する。問い合わせは(電話)090(1818)8129(小林)、(電話)090(1179)1577(真栄田)。