訓練公開、地元紙招かず 米空軍空中給油 識者「限定は不適切」


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 米空軍第18航空団は25日、報道機関向けに空中給油訓練を公開したが、琉球新報や沖縄タイムスを含む複数社を招かなかった。本紙は理由を問い合わせたが回答しなかった。参加した記者らによると、選別基準は「くじ引き」と説明しているが、呼ばれなかった社に説明はない。識者は「『報道の自由』の観点から見て、取材者を限定するのは不適切」と指摘。参加した記者からも疑問の声が上がった。

 難易度が高い空中給油訓練は2016年12月にはオスプレイ墜落の原因にもなったといわれ、県内での注目度は高い。本紙は直接取材できず、共同通信が記事を配信した。

 航空団は先週、県政記者クラブ所属社の一部に報道機関向けの訓練公開を通知。25日には読売新聞や産経新聞、共同通信、OTV、RBCの5社7人が参加した。出席者によると、冒頭に広報担当者は「くじ引きで選んだ。第2回、第3回と開催して本日呼んでいない社を招く」と説明したという。

 航空団は単文投稿サイト「ツイッター」に「沖縄近海上空での空中給油を見学していただこうと、今日は報道機関の方々をお招きしています」と投稿した。

公平性に疑問

 憲法やメディア法に詳しい鈴木秀美慶応大教授の話 国際NGO「国境なき記者団」の「報道の自由度ランキング」で政権がメディア選別をしているかが指標の一つになっている。取材者を限定するのは不適切だ。地元で問題視されているような訓練の公開に地元紙を呼ばず全国紙を呼んでいるのはおかしい。

 くじ引きと言うが検証しようがない。結果を見ると、公平に選んだのか疑わしくもある。本来、希望する社は全て参加できるようにするべきだ。もしどうしても限らないといけない理由があるとしても、勝手に選ぶのではなく皆が納得できる方法にする必要がある。