発達障がいのある乳幼児から成人まで一貫支援 浦添市の発達障がい複合施設 21年4月、県内初開所


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 【浦添】沖縄県浦添市が市牧港の沖縄国税事務所牧港寮跡地に整備を進める「発達障がい児関連複合施設(仮称)」について、来年1月に着工し、2021年4月の供用開始を予定していることが28日分かった。発達障がいなどのある乳幼児から成人までを一貫支援する、県内初の一体型複合施設。市は12月2日開会の市議会12月定例会に関連議案を提出する方針。

 市によると、複合施設は児童福祉法に基づく「児童発達支援センター」と、保健師ら専門職が対応する「障がい者(児)基幹相談支援センター」の機能を備える。発達支援センターの利用は障害福祉サービスの受給者証が必要。親子通園教室があり、発達に応じた専門的療育を提供する。

 相談支援センターは、障がいの種別にかかわらず相談や困難事例に対応する。診断前で受給者証のない人を無料で受け入れ、早期支援につなげる。双方のセンターを併せ持つ施設は県内初という。ニーズなどを検討した結果、当初予定していた就労支援と医師の配置は見送った。

 このほど実施設計が終わった。鉄筋コンクリート造り4階建てで、延べ床面積は約2380平方メートル。総事業費は約9億8千万円で、防衛省の補助事業を活用する。関連議案可決後の来年1月、指定管理者の公募とともに着工し、21年1月の完成予定。4月から利用者の受け入れを始める。(真崎裕史)