首里城の火災を受け、沖縄県赤瓦事業協同組合の八幡昇代表理事らは29日、県庁で記者会見し、国と県の首里城再建の方向性が固まった段階で、瓦製作の準備に取りかかる考えを示した。八幡代表理事は「県民と一丸となって、ともに再建に向けて努力していきたい」と意気込みを語った。
同組合は県工業技術センターとの研究成果を参考にして、土の配合や焼成温度などの基準をクリアした赤瓦を製作。吸水率が低く水を通しにくいほか、本土の無釉薬瓦と比べても硬い性質があるという。
組合が製作した瓦は、首里城内の女官居室や世誇殿などの屋根に施工されている。同組合は「屋根瓦施工能力、技術も十二分に兼ね備えており、再建に対応できると確信している」として、再建に向けて瓦製作に取り組んでいく考えだ。
一方、組合が試算したところ、焼失した正殿や南殿、北殿などに瓦を使う場合、約50万枚が必要となる。原料となる泥岩(クチャ)の量は約2000トンを見積もっている。組合は、組合製作の瓦を使う場合、安定的な原料の採集と供給が必要だとして、県や国に協力を求めていく考えを示した。