携帯電話に国際電話の着信が入り、知らずにかけ直すと海外につながり高額な通話料金が発生する恐れのある「国際電話詐欺」とも称される事案が県内でも発生している。会員制交流サイト(SNS)で不安視する書き込みが全国的に広がる状況で、県消費生活センターには先週から今週にかけて相談が複数件寄せられており、「不審な電話があれば不用意に折り返したりせずに相談してほしい」と注意を呼び掛けている。
県内在住の40代男性は今月23日、携帯電話に「+から始まる番号」からの着信を受けた。約2コールで電話は切れたという。電話をかけ直すと、日本語や英語ではない言語のスピーチが流れた後、ブザーが鳴って無言が続いた。電話を切り画面を確認すると、発信元は北アフリカの国アルジェリアからだった。
その後も2日間にわたり、男性の携帯電話には「コンゴ・ケニア・チュニジア」といったアフリカ諸国からの着信が続いた。いずれも「ワン切り」といわれる電話が鳴ってすぐに切れるもので、携帯電話には着信履歴だけが残った。
沖縄セルラー電話によると今月に入り県内で数件、全国で複数件の同様の情報が寄せられている。アフリカ諸国などに国際電話をかけた場合は30秒で85円の通話料金が発生するという。
携帯電話事情に詳しいモバイルプリンスさんによると、現地の電話会社と契約した海外の犯罪グループなどの犯行とみられ、電話料金の配当目当ての可能性があるという。数年前にも同様の電話が目立ち、世間の関心が薄れると犯行に及んでいると指摘する。対応策としては「とにかく無視をする。絶対に電話をかけ直さないこと」と念を押す。
携帯キャリア大手3社はホームページなどで「身に覚えのない電話番号からの着信は応答しないこと」などと、不審な電話への警鐘を鳴らしている。
(高辻浩之)