FC琉球のJ2初年度は 樋口靖洋監督に聞く


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14位で終えた今季を振り返るFC琉球の樋口靖洋監督=27日、那覇市の新都心公園

 サッカーJ2初年度を14位(13勝10分け19敗、勝ち点49)で締めたFC琉球。開幕4連勝と好スタートだったが、中盤は5連敗を喫するなど山あり谷ありのシーズンだった。来季続投が決まった樋口靖洋監督(58)に手応えと課題を聞いた。 (聞き手・喜屋武研伍)

 ―目標は10位以内だった。

 「もったいない試合が多かった。優勝したレイソルにも遜色なく戦えたが、最下位の岐阜には2敗している。必ず勝てる、絶対勝てない試合はなかった。この難しいリーグで、ある程度うまくやれた部分はある」

 ―スタイルを崩そうと思ったことはあったか。

 「一度もない。私がサッカーを始めたとき、攻撃的スタイルに魅力を感じた。極端な話だがボールを持つ時間を長くすれば守備をしなくていい。このサッカーをするために集められた選手、スタッフ。守備的になることのリスクの方が大きかった」

 ―7月は5連敗、1勝挟んで3連敗で19位に転落したが、苦しい時期を乗り越え順位を少しずつ上げた。

 「夏場の暑さと疲労がたまる時期で、選手の出入りも多かった。ああいう時期は練習の空気が停滞してもおかしくない。だが選手たちは非常によく練習に取り組んだ。空気が停滞してると感じたのは2回だけ」

 ―その2回は。

 「ホーム無敗記録が止まった甲府戦(6月)後、5連敗を止めた長崎戦後の練習だった。(小野)伸二や上里(一将)、若手だけど場数を踏んでいる徳元(悠平)が停滞した空気を敏感に感じてくれた。浄化作用というのかな。よどんだ空気を変えてくれた」

 ―失点の課題について。

 「(リーグワーストの)80失点を減らすことは簡単じゃない。守って減らすのでなく、ボールを握ることで攻め切る。守備の時間を減らしたい」

 ―来季に向けて。

 「タフにならないといけない。大宮みたいにスタイルを変えたり、町田はプレッシングを生命線にしたり、多種多様なスタイルを持つチームがいる。だが琉球は攻撃的なスタイルを変えたらいけないし、変えたら県民に魅力を与えられない。魅力的なサッカーをしなかったらサッカー文化を根付かすことはできない。タフに、攻め切って勝つ」