【インドネシア】エイサーで首里城支援 県人らがイベント


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舞踊「まみどーま」を踊る日本語学校のインドネシア人生徒ら=11月29日、ジャカルタ

 焼失した首里城の再建をインドネシアからも応援しようと、首都ジャカルタ市内の日本料理店前で11月29日、チャリティーイベントが行われ、100人以上が集まった。沖縄にゆかりのある日本人やインドネシア人が三線やエイサーを披露した。観客らは沖縄のシンボルの一刻も早い復興を願って「応援金」を寄せた。

 主催したのは日本料理店などを経営する地場企業の顧客担当マネジャー、大宜味村出身の宮城亜希子さん(49)。首里城全焼のニュースに心を痛めていると、SNSのメッセージや店の客からも同じ思いであることを伝えられ、「復興を願う気持ちを海外からも発信したい」と火災発生の翌日、店の前に「募金箱」を設置した。

 その後、県出身者を中心につくる「三線の会」のメンバーらと「チャリティーコンサートをやろう」と話がトントン拍子に進んだ。インドネシア人のエイサーグループ「ウーマクー・エイサー・シンカ」、平均年齢70歳の日イのエイサーグループ「多宝沖縄太鼓」も協力し、共演することになった。

 コンサートの冒頭、「三線の会」の尾沼南さん(36)=西原町出身=が「(火災を)思い出すたびに涙が出てくる。首里は観光だけでなく芸術の中心地だった。三線の音色を楽しんでください」と涙ながらにあいさつした。

 約1時間にわたって「安里屋ユンタ」「遊び庭」など9曲・演目を披露した。竹富島の舞踊「まみどーま」では、日本語を学ぶインドネシア人も踊りに参加、短期間の猛特訓の成果を披露し大きな拍手が沸き起こった。最後は出演者と観客がカチャーシーを踊って締めくくった。

 宮城さんも「両国の協力でここまでできるとは」と感無量の様子だった。店頭の募金箱と、この日に集まった「応援金」を那覇市を通じて首里城公園に寄付する。

(大野圭一郎通信員)