のあちゃんから命のバトン 救う会、心臓検査装置を病院へ寄贈


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県立南部医療センター・子ども医療センターに心臓超音波検査装置を贈った「のあちゃんを救う会」の平良誠共同代表(中央)ら=3日、南風原町の同センター

 沖縄県内外からの募金による支援を得て米国で心臓移植手術を受け、昨年3月に亡くなった翁長希羽(のあ)ちゃんを支援する「のあちゃんを救う会」は3日、次の患者の支援につなげようと、県立南部医療センター・こども医療センターに心臓超音波検査装置5台を贈った。救う会の平良誠共同代表は「早期発見など患者が安心して治療できるための一助となってほしい」と命のバトンがつながっていくことを期待した。希羽ちゃんの両親も感謝のメッセージを寄せた。

 浦添市出身の翁長希羽ちゃんは米国での手術に成功したが、療養中の昨年3月に間質性肺炎のため亡くなった。その後、精算作業を進めていた救う会は移植支援や医療に役立ててもらおうと今回の贈呈を決めた。

 装置は心臓に超音波を当て反射波を画像化し心臓の様子を調べる機器で、5台中1台は3D画像化できる最新の装置。立体的に見えることで治療の確度を上げることなどができる。

 県内で唯一、子どもの心臓手術ができる南部医療センターには年間延べ約7千人の先天性心疾患の患者が訪れ、子どもの心臓手術は140件前後ある。心臓超音波装置は小児科で3台を保有するが老朽化し、台数も不足している状態が続いていた。小濱守安院長は「厳しい状況を改善できる。支援に感謝したい」と謝意を示し、感謝状を贈った。

 救う会は希羽ちゃんの病を発見し、熊本地震の被害に遭った熊本市民病院と、10月に発足した心臓移植の患者と家族を支える会「芭蕉の会」に、約3300万円の残金全てを等分して寄付した。

 希羽ちゃんの両親もメッセージで感謝の言葉をつづり「心臓移植を待っている子どもたちが一人でも多く救われることを願っている」と思いを伝えた。