消防記録改ざんの告発を市長が問題視 識者はどう見る?


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◆通報の事情勘案必要 若狭勝弁護士 元東京地検特捜部副部長

 公務員が職務に当たって作り、公文書として利活用される文書の改ざんならば虚偽公文書作成罪に当たる。こうした反社会的行為を通報した場合、通報者は公益通報者保護法の趣旨として保護対象になり得る。ただ、一義的には公益通報の窓口に通報するのが先だ。今回はそうした窓口がなく、管理者が自治体の首長ということで通報のハードルも上がる。そうした事情も勘案されるべきだ。一方で機密漏えいであることも事実で、この場合、通報者に通報対象者への私的感情が介在しないかどうかも見極める要素になる。


◆告発職員は保護対象 猿倉健司弁護士

 公文書の改ざんは虚偽公文書作成罪に当たる。犯罪行為だ。内部告発した職員は公益通報者保護法の保護対象であり、仮に告発した職員が情報漏えいで処分されることがあれば、不当な処分として同法違反となり、罪になる。

 管理者はすでに、島尻消防に対して調査を指示している。管理者は告発者がどういう意図で外部に情報を漏らしたのか考えただろうか。

 内部の情報が外部に漏れた経緯について調べるだけなら問題ないが、内部告発者を処分するために調査を指示したのであれば問題だ。