照明弾が田んぼ落下 民家まで最短50メートル 金武町伊芸 米軍、ハンセンで演習


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照明弾とみられる落下物=5日午後3時57分ごろ、金武町伊芸(読者提供)

 【金武】5日午後5時半ごろ、金武町伊芸の田んぼに「照明弾らしき物が落ちてきた」という消防への通報が住民からあった。石川署や沖縄防衛局によると、落下物は金属製とみられ、落下傘が付いていた。金属部分は長さ約10センチ、直径約5センチの円筒状、重さ250グラム。落下傘部分を含めると全長1メートル60センチ。けが人や物的被害は確認されていない。現場は米軍キャンプ・ハンセンまで約200メートルの距離にあり、落下物は米軍照明弾の可能性が高い。

 落下物は一部はすすのような物で、黒くなっていたという。ハンセンは自衛隊が使用することもあるが、陸上自衛隊那覇駐屯地によると5日は訓練など実施していない。

 目撃した住民らによると、午後3時までに複数の照明弾のような物が上がり、落下傘が開きふらふらと落ちてきた。落下現場の田んぼから最も近い民家まで約50メートルだった。

 防衛局が現場で落下物を回収した。米軍へ写真を送り、照会している。米軍は2~8日、ハンセンで演習すると通報していた。ハンセン内の都市型訓練施設があるレンジ4から現場までは直線約400メートルの距離。

 伊芸区は同日夜、緊急の行政委員会議を開いた。照明弾が他に落ちていないかと懸念する声が上がった。6日午前から現場周辺を調査し、区として抗議決議をする方向で協議する。

 山里均区長(69)は「最近は午前5時ごろから演習が激しくうるさかった。落下地点の田んぼでは稲刈りを済ませた後だったが、収穫前なら火事になっていたかもしれない。住宅のそばで起きるなんて、考えられない」と憤った。

 仲間一町長は「大変なことであってはならないことだ。詳細が分かり次第、しかるべき所に強く抗議する」と話した。町や県の職員も現場を確認した。

 ハンセンでは実弾射撃訓練が実施され、過去にも隣接する民間地に照明弾が落ちたり、実弾の流弾事故が相次いだりしている。実弾射撃訓練に伴い、基地内の火災も頻繁に起きている。

キャンプ・ハンセン近くの田んぼに落ちた照明弾とみられる物体=5日午後4時3分ごろ、金武町伊芸(読者提供)