社会

炎と煙上げた物体が目前に… 一歩間違えば大事故に住民恐怖 米軍基地隣接地で照明弾落下

住宅地内の田んぼに落下した照明弾とみられる物体。すぐそばに民家がある=5日午後、金武町伊芸(伊芸区事務所提供)

 「安全な暮らしを壊された」「またか」。米軍キャンプ・ハンセンに隣接する金武町伊芸で、炎と煙を上げた物体が住宅までわずか数十メートルの場所に落下した。一歩間違えれば人命を脅かす大事故につながりかねず、現場周辺は恐怖や緊張感に包まれた。周辺ではこれまでも流弾事件が多発しているが、米軍が捜査に協力せず未解決になった事件もある。住民は「米軍は認めるだろうか」と不信感もあらわにする。

 ポンポンポン―。5日午後3時半ごろ、金武町伊芸区の住宅街に破裂音が響いた。会社員の謝花喜順さん(42)は耳慣れない音に見上げた空で、白煙を上げて燃える照明弾とみられる落下物を確認した。午後4時前、同じ破裂音が響く。落下物の一つが白い落下傘を開いた状態でふらふらと目の前に落ちた。「まさかと思って見ていたらこっちに来た。事故は人ごとじゃないと実感した」

 落下物が落ちた田んぼは国道329号から約200メートルほど北側に入った住宅地。米軍キャンプ・ハンセンに隣接する。普段は子どもたちが連れ立って遊ぶ姿が目立つのどかな集落は石川署員らと報道陣であふれ、ものものしい雰囲気に包まれたた。「一体、何が起きたのか」。住民らは不安そうに規制線の向こうを見詰めた。


照明弾とみられる物体(伊芸区事務所提供)

 謝花さんが打ち上げられた落下物を確認したのは、ハンセンが位置する北の空という。田んぼの所有者、與那嶺常美さん(71)は娘からの連絡で駆け付けた。「作業中だったら大変なことだった」と声を震わせ「住宅地の真ん中、民家の目の前だ。火だねが残っていたら火事になっていたかもしれない」と憤った。

 5日、伊芸区では早朝からハンセン内の演習とみられる破裂音が響いていたと多くの住民が証言する。伊芸区事務所に勤務する與那嶺洋子さん(45)は「ここ1週間ひどかった。まさかこんなことになるなんて」と首を振った。山里均区長(69)は「米軍は自分たちの物と認めるだろうか。こういった事故が起きるといつもうやむやにするが、民間の人がこんなの上げるわけがない」と話した。



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