米軍の照明弾とみられる落下物1個が見つかった沖縄県金武町伊芸区で6日午前、前日に続き照明弾らしき物体が新たに2個発見された。一つは木に引っ掛かった状態で、もう一つは区内を流れる美徳川沿いの道路上だった。5日のものを含めて計3個となった。伊芸区の住民らでつくる区行政委員会のメンバーが6日午前9時すぎから捜索していた。
木の上で見つかったものは、5日の発見場所よりも米軍キャンプ・ハンセンに近く、約10メートル離れた場所には民間地の牛舎、約20~30メートル先には沖縄自動車道がある。道路上で見つかったものはもう一つは周囲に畑と川があり、10メートル以内の場所に農作業小屋がある。
同行していた本紙記者が目視したところ、新たな2個は5日のものとほぼ同じとみられる。石川署や沖縄防衛局によると、5日の落下物は金属製とみられ、金属部分は円筒状で長さ約10センチ、直径約5センチ、重さ250グラム。
米軍は2~8日、ハンセンで演習すると通報。ハンセンに隣接する伊芸区の住民は5日、複数の照明弾とみられる物が空中から落ちてくるのを目撃していた。このため行政委員会のメンバーや事務局など11人が6日、付近一帯を捜索し、午前10時ごろに木に引っ掛かった状態で、11時すぎに美徳川沿いでそれぞれ照明弾らしきものを見つけた。ハンセンでは6日も訓練が実施され、射撃音とみられる破裂音が一帯に鳴り響いていた。
山里均区長は「昨日の事態なのに、今日も演習を続けたままというのは考えられない。牛舎からこんなに近い距離で落ちている。火種があったら火災になっていた。ぞっとする」とあらためて怒りをあらわにした。
現場に急きょ駆け付けた仲間一金武町長も「(昨日見つかったのに)今日の演習はないだろう。照明弾の火力は一般の弾よりも強いと聞いている。これが民間地で燃えたら大変なことになる。紙一重で火災は起きていない。町として発見場所となった田んぼの土の成分を調べ、影響がないかも確認したい」と憤った。
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