米軍訓練に起因する被弾や落下物、火災… ハンセン周辺で頻発


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 米軍キャンプ・ハンセンの訓練場では実弾を使った射撃訓練が行われていることから、金武町では日本復帰以降、照明弾の落下が少なくとも4件起こり、銃弾や砲弾が民家に撃ち込まれる事故が相次いでいる。訓練が原因とみられる火災も復帰後、500件を超える。

 県によると、1973年4月に伊芸区の民家の庭に照明弾が燃えながら落下。76年3月には町内の沖縄自動車道に米軍の演習用照明弾2個が落ちた。

 79年5月には伊芸のゴルフ場に落下傘付き照明弾が、同年11月に米兵のいたずらにより、民家に照明弾が落下した。

 照明弾やえい光弾は発火性が高いことから、着弾地の雑草に引火して火災になったケースも多い。復帰から昨年12月末までに、県が確認しただけでキャンプ・ハンセンや周辺では517件の火災が発生。水源かん養林に延焼したこともあり、原野火災などの焼失面積は延べ3665ヘクタールに上る。

 このほか、流弾で負傷者が出たケースもある。56年1月には実弾射撃演習場からの銃弾が伊芸区の女児(当時3歳)の太ももを、64年2月には家にいた女性(当時19歳)の太ももを銃弾が直撃した。

 最近では、2008年12月に伊芸区内の民家で、駐車中の乗用車のナンバープレートに銃弾が突き刺さったほか、17年4月にはキャンプ・ハンセン内の安富祖ダムの工事現場で、水タンクと車両に銃弾が当たり、破損する事故も起きた。