沖縄県内地価、鈍化の傾向 先行き変化予想も


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 沖縄県不動産鑑定士協会(高平光一会長)は6日、今年5月1日から11月1日までの不動産業者の市況感を示す業況判断指数(DI)を発表した。半年前より地価が「上昇」と答えた割合から「下落」と答えた割合を引いた地価動向DIは、住宅地がプラス50.1、商業地が同51.6、軍用地が同62.0となり、いずれも前回調査(2018年11月1日~19年5月1日)を下回った。同協会は「地価上昇の鈍化傾向が強まっている」と指摘した。

 今後の半年間(11月1日~20年5月1日)の地価動向DIは住宅地がプラス7.9、商業地が同14.4、軍用地が同24.8となり、14年の調査開始以降で最低水準となった。県内では観光客数や人口の増加は続いており、半年後もDIはプラスを維持する。一方で、同協会は「先行きについては状況の変化を予想する業者も増えている」と分析する。

 不動産売買が「増加」との回答から「減少」との回答を差し引いた割合の取引件数動向DIは、宅地がプラス0.3と前回調査の同19.1から大幅に下落した。マンションはマイナス11.2、戸建ては同1.5となり、「減少」の割合が上回った。地価の上昇に伴って売買価格も高騰していることから、現時点の購入を控えている動きもあるという。同協会は「従来と異なる傾向が見られ、今後の動向に留意が必要だ」としている。

 新築マンションの取引動向について、1年前より売れ行きが「悪くなっている」との回答が64.3%を占めた。「良くなっている」は14.3%にとどまった。地価の上昇に加えてマンションの供給が増えているほか、金融機関の融資判断も厳しくなっているという。中古マンションは「悪くなっている」が39.9%、「良くなっている」が14.1%だった。

 業況判断指数など調査の詳細は、県不動産鑑定士協会のホームページに掲載している。