5日に沖縄県金武町伊芸の民間地に米海兵隊の照明弾3発が落下した問題を受け、玉城デニー知事は6日の県議会終了後、県議会棟で記者団の取材に応じ「県民の生命・財産に被害を及ぼす重大な事故につながりかねない」と語った。一方、県議会米軍基地関係特別委員会の仲宗根悟委員長は11日に予定される同委員会で落下に抗議し、再発防止を求める決議と意見書を提案する方針だ。
玉城知事は「落下場所は、直近の民家まで約50メートル。周辺には沖縄自動車道などがある」と説明した。その上で「米軍と日米両政府に対して厳重に抗議し、事故原因の究明と実効性のある再発防止策を強く求めたい」と述べた。
キャンプ・ハンセンで繰り返される実弾射撃訓練による原野火災や施設外への流弾、つり下げ訓練中の物資落下などが発生していると指摘。「日常的に米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな不安を与えている」と強調した。
県基地対策課は5日に引き続き6日も職員を現場に派遣した。6日午前10時すぎ、金武町からの電話で2発目が見つかったと知らされた。職員2人が急行し、写真やメモで現場の様子を記録した。関係機関からも情報を収集し、幹部に報告した。
<用語>照明弾
一般的に夜間の戦闘で目標地点を照らして狙いを定めるために使う。マグネシウムなど発火材が一定時間、燃え続ける。今回の訓練に使われた60ミリ迫撃砲は、兵士2、3人で扱える軽量だが威力が大きい武器とされる。角度を変えることで着弾地点を調整するもので、精度は比較的高くないといわれる。今回、民間地に弾が落下した際はどのような訓練で使っていたか、米軍は説明しておらず不明。