12年に一度だけ、島に伝わる祭事 みこし状の祭具清め住民100人練り歩く 浜比嘉島の「龕年忌祭」


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12年に1度の浜区・龕年忌祭(ウフアシビ)の様子=11月23日、うるま市勝連浜(浜比嘉島)(提供)

 【浜比嘉島=うるま】集落に伝わる葬具の「龕(がん)」を清める12年に1度の浜区・龕年忌祭(ウフアシビ)が11月23、24の両日、うるま市勝連浜(浜比嘉島)であった。初日は龕を担いだ島の青年や住民ら約100人が、ヒヌカンのある浜公民館前から龕を納める吉田川原の「龕屋」まで練り歩く道ジュネーをした。

 龕は区民の棺(ひつぎ)を墓まで載せて運ぶみこし状の葬具で、浜区で初めて使用されたのは1897年ごろだと考えられている。祭りは、12年おきの龕の修繕に合わせて実施されてきた。1970年代には担ぎ手の若者が減少し、年配の人でも担げるアルミ製の龕を製作。それまで使っていた木製の龕は72年、県立博物館・美術館に寄贈した。

 現在は火葬のため龕は使われなくなったが、年忌祭は大切な伝統行事として継承されている。浜区自治会の奥村靖彦区長は「無事に開催できてほっとしている。島を離れた出身者も島の行事に参加してほしい」と話した。

 24日は、旧浜中学校で、地域住民らによる琉舞やチョンダラーなどがあり、12年に1度の伝統行事に花を添えた。