全国初、スポーツ大会でオンライン診療導入へ 沖縄の自治体と民間企業 ICT活用でコストカット


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テレビ電話で医師の診察を受ける様子をデモンストレーションする関係者ら=5日、与那原町役場

 【与那原・西原】与那原町や民間企業など7団体でつくる「美と健康と賑(にぎ)わいサンライズタウン推進連携体」は、沖縄本島東海岸地域で開かれるスポーツの大会や合宿参加者を対象に、ICT(情報通信技術)の活用で救護や栄養管理を支援する「スポーツヘルス・オンライン・サポート」事業を始める。テレビ電話などを通じ、遠隔地にいる医師が負傷者らを問診する。スポーツ分野でのオンライン診療は全国初という。

 NECグループが技術協力し、「リモケア」という専用端末を使用。スポーツ大会でけが人などが出た場合、会場スタッフが遠隔地の医師とテレビ電話などをつなぎ、負傷者に問診しながら応急処置の指示や救急手配の判断などを仰ぐ。オンライン診療により、コストカットや迅速な処置が期待できるという。

 5日、関係者が与那原町役場で会見し、取り組みを説明。クラウド上に選手個人の運動や食事の記録、けがの情報を蓄積し、トレーニングや食事の支援を行う計画も紹介した。プロジェクトマネジャーの中嶋昇さんは「安心安全を提供し、スポーツツーリズムやウェルネスツアーの誘客につなげたい」と意気込んだ。

 事業は県の地域ビジネス力強化支援事業補助金を活用。同連携体は14、15日に西原町の西原きらきらビーチで開かれる「ビーチスポーツ沖縄カップ」で実証実験を行う。来年度の実用化を目指すという。