「地域で一切やらないで」 謝花副知事、米軍照明弾落下で国に抗議


この記事を書いた人 問山栄恵
金武町伊芸区への照明弾落下に抗議し、外務省の川村沖縄大使(左から2人目)や田中利則沖縄防衛局長に訓練中止を求める要請書を手渡す謝花喜一郎副知事(右)=10日午後12時30分ごろ、県庁

  沖縄県金武町伊芸区の民間地域に、米軍の照明弾3発が落下した問題で、謝花喜一郎副知事は10日午後、県庁に外務省の川村裕沖縄担当大使と沖縄防衛局の田中利則局長を呼び、抗議した上で訓練中止を求めた。謝花副知事は「火災になった可能性もある。本当は(訓練は)『みんなやるな』だが、地域の身近なところや懸念があるようなところでは一切やらないという方策を今後の再発防止策の中でやってもらいたい」と述べた。

  県の抗議文では、照明弾の落下場所が最も近い民家から約50メートルしか離れていないことや、沖縄自動車道の高架や高圧線鉄塔もあることなどを挙げ「一歩間違えれば県民の生命、財産に被害を及ぼす重大な事故につながりかねず、極めて遺憾だ」と批判した。

  これに対して川村大使は「事故を深刻に捉え、照明弾訓練を一時中止していると報告を受けた」とした上で、日本政府として米側に原因究明と再発防止を求めているとした。

  普天間飛行場内で5日に消火システムの誤作動によって有害な有機フッ素化合物PFOSを含んだ泡消火剤が漏れ出したことについて、謝花副知事は「川に流出することは決してあってはならない。米軍基地と隣り合わせの県民の不安がある」と指摘し、管理方法などを問いただした。

  これに対して田中局長は「施設内で除去し、基地外への影響はないと聞いているが、情報など確認が取れ次第、県や宜野湾市に連絡したい」と述べた。【琉球新報電子版】