一番いい色のメダルを 上与那原寛和、東京パラへ始動 13日まで沖縄で合宿


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合宿で汗を流す(手前から)上与那原寛和、田中照代、伊藤智也=9日、沖縄市陸上競技場(ジャン松元撮影)

 来夏の東京パラリンピックに400メートル(車いすT52)と1500メートル(同)での出場が内定している上与那原寛和が9日、沖縄市陸上競技場で合宿に入った。11月のパラ陸上で共に表彰台に上がった伊藤智也らと共に行う。13日まで。東京大会の代表内定後、初めての本格的な練習となるため「東京に向けたスタート」に位置付ける。目標に掲げる本番での表彰台に向け、さらなるスピード向上を目指す。

 合宿には伊藤のほか、パラリンピック3大会で金、銀、銅を計五つ獲得した田中照代も参加。初日は強風の中、5千メートルを走って体を温めた後、緩い走行とトップスピードを繰り返すインターバル走などを行った。

 本番ではライバルとなる伊藤との合同練習は「みんな一番いい色を狙っている。切磋琢磨(せっさたくま)したい」と良い刺激になっている様子。伊藤も「(上与那原と)引っ張り合って、お互いを高め合う。東京では最高の走りをしたい」と意気込む。

 上与那原は来年3月にある岡山での大会が直近の試合になる。冬場の鍛錬を通して「来年春にがっつり動けるような体づくりをしていく」という。今後トラックや室内のローラーでタイヤを回して上半身に負荷を掛け、腕の筋力を増やすほか、レーサー(競技用車いす)の使い方もミリ、センチ単位で調整しており「もっとパフォーマンスを上げる」とさらなる強化を図る。

 パラリンピックは4大会連続の出場となるが、メダルは北京フルマラソンでの銀のみで、トラック競技ではまだない。4位入賞だったリオデジャネイロの1500メートルでは3位と0・08秒差でメダルを逃しており「入賞とメダルは全然違う。お世話になった人への恩返しのためにも形を残したい。最後まで油断は禁物。確実に表彰台を狙う」と力を込めた。 (長嶺真輝)