宮本昌典が3位入賞 重量挙げW杯73キロ級 不調から脱却、五輪代表へ大きな一歩


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男子73キロ級 トータル335キロで3位入賞した宮本昌典=10日、中国天津(日本ウエイトリフティング協会提供)

 重量挙げのワールドカップ(W杯)が10日、中国の天津市で行われ、日本代表として出場した男子73キロ級の宮本昌典(沖縄工―東京国際大出―同大職)がスナッチ148キロ、ジャーク187キロのトータル335キロで3位入賞した。6本の試技を全て成功させ、スナッチの4位から順位を上げてメダルを獲得した。東京五輪テスト大会となった7月の日中韓友好大会ではスナッチ151キロ、ジャーク190キロのトータル341キロで、いずれも自身の持つ日本記録を更新。11月には県内で自主トレーニングに励み、調子を上げていた。

恩師の指導で納得いくフォームに

 スナッチ148キロを終えた時点で、宮本の順位は4位。続くジャークは178キロからスタートし、2本目の183キロを順調に成功させた。最終試技の重量は187キロ。「っしゃあ」と気合を入れ、大きく一呼吸。クリーンでゆっくりと立ち上がり、バーベルを乗せて8秒後、一気に差し上げた。ジャークは最終的に2位につけ、トータル335キロの銅メダル。2位の中国選手とはトータルで5キロ差だった。

 7月に自身が持つ日本記録を更新したが、それ以降不調が続いていた。11月に中学時代から指導を仰いできた沖縄工の平良真理監督を訪ね、フォームや差し上げるタイミングなどの助言を求め、自身の納得の行くフォームや差し上げを確認した成果が表れた様子だ。来年4月に行われる、東京五輪代表最終選考大会となるアジア選手権への出場も決定しており、五輪代表に向けて大きな一歩となった。

 今大会に代表選手団コーチとして帯同している平良監督は、W杯に懸ける宮本の思いを肌で感じていた。セコンドとして「結果は付いてくるよ。自分との戦いだよ」と声を掛け続けた。教え子の銅メダルに「久しぶりに納得している様子のすがすがしい笑顔だった。この経験を大切な財産に東京五輪でのメダル獲得という彼の夢に向け、共に頑張りたい」と語った。