不屈館で首里城展 復元過程、火災の写真展示 山城博明さん提供


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「平和の象徴 首里城展」を企画した内村千尋館長(左)と写真を提供した山城博明さん=13日、那覇市若狭の不屈館

 米統治下で圧政と闘った瀬長亀次郎さん(1907―2001年)が残した資料などを展示する那覇市若狭の「不屈館」(内村千尋館長)で、緊急企画「平和の象徴 首里城展」が13日始まった。報道写真家の山城博明さん(70)が撮影した首里城復元の過程や火災の写真など49点と、1992年当時の復元に関する資料を展示している。来年3月20日まで。

 瀬長さんは沖縄戦で焼失した首里城復元に向け74年発足した期成会の顧問だった。サンフランシスコ講和条約の発効を前にした52年4月、琉球政府発足式で起立せず、米国民政府(USCAR)への宣誓を拒否した事件の舞台が首里城跡にできた琉球大学だった。

 期成会の会報や首里城公園基本設計図、首里城公園のパンフレットなどの資料が残されており、内村さんは山城さんの協力を得て展示会を企画した。

 企画展では、山城さんが撮影した首里城正殿の写真をあしらったクリアファイルも1部200円(うち100円は寄付)で販売。裏面は「沖縄はガジュマルのように何度でも立ち上がる。不屈に!」という瀬長さんの言葉とガジュマルの写真があしらわれている。

 内村さんは「不屈館として首里城復元に何かできることはないかと考えた」と開催の意図を説明。山城さんは「あきらめないで立ち上がる精神を県民に訴え続ける不屈館で、撮りためてきた首里城の写真展を開催できるのはうれしい」と話していた。

 入館料は大人500円、大学・高校生300円、中学生以下無料。火曜休館。