コザ中、鮮烈な快挙 沖縄県勢初の全国駅伝18位 1区の仲村、7位で飛び出す


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県勢女子過去最高の18位でゴールするコザのアンカー渡久地七琉=滋賀県希望が丘文化公園

 第27回全国中学校駅伝は15日、滋賀県希望が丘文化公園で行われ、女子(5区間12キロ)で2年連続4度目の出場のコザが43分44秒で18位に入った。昨年の同校の県勢最高位タイの36位を大幅に塗り替えた。男子(6区間18キロ)で初出場の松島は1時間1分11秒で42位だった。コザは1区(3キロ)の仲村陽葵が10分34秒と区間7位の快走で勢いをつけると、続くメンバーも粘りの走りで10位台を維持した。松島は2区(3キロ)の新垣貴啓が9分38秒で区間13位の走りを見せたが、特有の芝生のコースに苦しみ、順位を下げた。女子は六ツ美北(愛知)が41分43秒、男子は市貝(栃木)が57分23秒で、それぞれ初優勝を果たした。

猛練習に耐え有言実行

 女子コザが43分44秒で県勢初となる18位でゴールした。昨年に果たした県勢最高位タイの36位から一気に10位台に押し上げた。目標に掲げた20位以内を有言実行しての快挙。徳村美桜主将は「つらい練習もあったけど、結果を残せた。やってきてよかった」と喜びをかみしめた。

 持ちタイムが最も早い仲村陽葵が1区で流れをつくった。号砲と同時に猛ダッシュで飛び出す県外選手に気後れせず、第2集団に入ってその中で抜きつ抜かれつを挑んだ。「きつかったけど全部出し切ろうと思った」と競技場に戻るとスパートをかけ、7位でたすきを渡した。昨年抜かれた登りでもしっかり勝負でき「成長したな」と喜んだ。

 2区は九州大会区間2位の仲間花梨が健闘した。「押してくる相手に負けないように走った」と一歩も譲らず10位で上位を維持した。3区の島村曜莉が13位、4区の徳村美桜が19位でたすきをつなぎ、アンカーの渡久地七琉が順位を一つ上げて18位でゴール。

 競技場を中継点とするコースで、たすき渡しのたびにスタンドの応援団から大声援が降りかかった。トラックでのスパートの力になったといい、メンバーは口々に「元気が出た」と沖縄からの応援に感謝した。

 1、2年生が中心のメンバーは県大会で新記録、九州6位と県勢未踏の領域へと踏み入ってきた。それでも仲村は「県勢男子最高の17位には届かなかった」と来年にはさらなる上位をと誓う。ただ1人の3年生、徳村主将は「本当は来年も出たい。この場所でさらにいい結果を残してほしい」と後輩に託した。


▽男子総合成績 (1)市貝(栃木)57分23秒(2)我孫子(千葉)57分32秒(3)桂(京都)58分2秒(42)松島1時間1分11秒
▽女子総合成績 (1)六ツ美北(愛知)41分43秒(2)七尾(石川)42分8秒(3)浅川(福岡)42分10秒(18)コザ43分44秒

 【男子区間成績】
▽1区(3キロ) (1)倉本(三重)9分9秒(31)新垣暁啓(松島)9分36秒
▽2区(3キロ) (1)小田切(長野)9分4秒=区間新(13)新垣貴啓(松島)9分38秒
▽3区(3キロ) (1)山口(千葉)、柳原(愛知)9分26秒(41)嘉手川太智(松島)10分13秒
▽4区(3キロ) (1)柴田(京都)9分2秒=区間新(35)前花和太郎(松島)10分14秒
▽5区(3キロ) (1)今野(山形)9分45秒(46)小橋川陸(松島)10分58秒
▽6区(3キロ) (1)荒尾(福岡)9分16秒(42)上原佑斗(松島)10分32秒

 【女子区間成績】
▽1区(3キロ) (1)戸田(福岡)10分12秒(7)仲村陽葵(コザ)10分34秒
▽2区(2キロ) (1)森安(広島)6分48秒(17)仲間花梨(コザ)7分8秒
▽3区(2キロ) (1)鈴村(愛知)6分50秒(20)島村曜莉(コザ)7分23秒
▽4区(2キロ) (1)津田(石川)、緒方(熊本)6分57秒(34)徳村美桜(コザ)7分42秒
▽5区(3キロ) (1)桟敷(愛知)10分25秒(17)渡久地七琉(コザ)10分57秒