100Kマラソン、初挑戦で4位 新里大さん、自身も驚きの記録 医師からの忠告に一念発起、ほぼ毎日の「帰宅走」実る


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初のウルトラマラソン出場で、総合4位入賞。大満足でピースサインをする新里大さん=15日、与那原町の与那古浜公園

 【南部】南部4市町を舞台に15日開催された「第4回沖縄ウルトラマラソン」(同実行委主催、琉球新報社共催)で、初出場にもかかわらず4位入賞という快挙を成し遂げた新里大さん(27)=那覇市。練習で100キロを走ったことはなく、「ぶっつけ本番」でチャレンジした結果、自身も驚きの記録(7時間45分47秒)を打ち立てた。「完走できたことも信じられないのに」。戸惑いながらも完走証に記録された「総合4位」の文字を確認して、笑顔を見せた。

 マラソンを始めたのは3年前。お酒の飲み過ぎと日頃の不摂生を医師に注意され、「運動せねば」と重い腰を上げた。学生時代は美術部。運動とは無縁だったが、思いがけずはまった。

 以来、職場がある糸満市から自宅のある那覇市まで“帰宅マラソン”を続けた。少し遠回りして約20キロ。ほぼ毎日続けている。その成果が出て、11月の中部トリム・ハーフマラソンでは1位、今月1日のNAHAマラソンでも好成績を残した。「いろんなマラソンに挑戦したい」と意欲を燃やし、今回のウルトラマラソンに挑んだ。

 練習では100キロを走ることはなかった。「もし完走できたとしたら、これぐらいかな」。何となくの目標「9時間以内完走」をゼッケンに書き込み、本番を迎えた。

 コースの詳細は把握していなかった。南部は勾配がきついとは聞いていたが、「さすがにこれほどまでとは。85キロ地点ぐらいで、足から脇腹にかけてつってしまった。足が回らなくて引きずりながら走った」。それでもリタイアは頭になかった。「スタートからの走りを無駄にしたくなかった」

 最後は意地。ゴールでは同じウチナーンチュから「県民では1位」と大きな拍手と声援が送られ、ガッツポーズでゴールテープを切った。「ますますはまりそうだ。県外のウルトラマラソン出場も目標にしたい」。さらに意欲を高めた。