分娩介助料値上げ16万円へ 沖縄県議会が可決 県立病院、一部で負担生じる見通し


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 県立病院で1人目の子どもを出産する際の分娩(ぶんべん)介助料12万6千円を、来年度3万4千円値上げし16万円とする条例改正案が県議会最終本会議で可決された。県立病院で「深夜休日」や時間外の出産は割り増し料金があるため出産一時金の42万円を3万~6万円上回り、一部で負担が生じる見通しだ。

 分娩介助料は段階的に引き上げられ、2021年度には時間外は19万2千円、深夜休日は22万4千円となる。正常分娩で検査・入院費を含む総額の平均は時間内の場合、出産一時金の額内に収まるが、時間外は約45万円、深夜休日は約48万円となる。県立病院の18年度出産数は2261件で時間外・深夜休日の正常出産はうち約12%だった。

 県立病院では出産に現行の介助料より6万円以上多く経費がかかり、年間約1億4千万円の持ち出しが生じ経営圧迫の一因となっていた。出産費は県立を除く県内の急性期病院7カ所の平均が約16万9千円であることなどから県病院事業局の我那覇仁局長は「均衡を保つため料金を適正化する必要がある」と理解を求めていた。

 県議会最終本会議では、末松文信氏や照屋守之氏(共に沖縄・自民)らが県立病院の人件費が(経費の)68%も占め全国平均より16%も高いとして「県民に負担を強いる前にやるべきことがある」「人件費を改善できれば財源は確保できる。引き上げの必然性はない」などと反対した。