教育費の支出が年収超える世帯も 離島はさらに負担増 沖縄の教育費の実態


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 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は20日、2018年度に国の教育資金を利用した県内世帯などの調査結果を発表した。世帯年収に占める教育費の負担割合は年収が低くなるほど大きくなり、特に年収200万円未満の家庭では103・3%と年収を超えている。17年発表の前回調査から2・7ポイント減少したものの、所得の低い家庭では依然として家計だけでは教育費を捻出することが困難な状況となっている。

 島外に進学する際の住居費などで負担がさらに大きくなる離島居住者では、年収200万円未満の負担割合は116・4%で、前回調査より0・5ポイント増加している。

 調査は沖縄公庫が18年度に直接教育資金を貸し付けた2569件(うち離島445件)を対象に教育費(入学金、授業料、受験費用、教材費、アパート家賃等の住居費、通学の交通費など)の支出状況などを集計した。

 利用者の世帯年収は県全体では409・6万円、離島は372万円だった。一方、高校生以上の学生1人当たりの入学費用は県平均156・5万円に対し離島は189・6万円、年間在学費用は県平均121・4万円に対し離島が136・9万円といずれも離島が上回っている。離島では、特に住居費が県平均を大きく上回った。

 高校や大学、専門学校などの進学先について、県全体では県内が51・2%、県外が48・8%だったが、離島世帯では県内が36・2%、県外が63・8%となった。公庫の担当者は「離島ではどのみち移動するのなら、より選択肢の多い県外を目指す人も多い」と話した。

 沖縄公庫では離島在住者を対象に教育資金の金利を優遇する離島利率特例について、20年度から適用限度額を200万円に拡大する。