米軍キャンプ桑江 基地内調査の契約終了 県道24号バイパス 米軍許可出ず


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 沖縄県の北谷町と沖縄市を結ぶ「県道24号線バイパス」整備で、県は2018年5月に米軍キャンプ桑江の一部を含む整備区間の測量や土質調査などの立ち入り調査を申請したが、米軍から許可を得られず、調査設計業務を委託した事業者との契約を10月に終了したことが25日、分かった。

 沖縄防衛局は本紙の取材に対し、米軍が基地への立ち入りを許可していない理由について「県が計画している整備区間の中に返還予定がない地区が含まれており、当該区域を含んだままでは米側との調整を進めていくことは困難だ」と回答した。現在立ち入り許可の見通しは立っておらず、県は「計画変更は考えていない。引き続き沖縄防衛局を通して米軍と調整したい」としている。

 調査設計業務の委託費は総額3672万円で、県が前払いしていた約1千万円は契約終了に伴い返還された。申請手続きなど調査の準備に要した経費数十万円を支出した。

 県道24号線バイパス全体の整備区間は、国道58号の北谷町役場入口交差点から沖縄市山里の沖縄環状線までの約3140メートル。県は、桑江交差点から北谷中学校付近までを結ぶ約1720メートル区間の整備を03年に着手した。

 同バイパス整備区域には、今後返還予定の米軍キャンプ桑江の一部や、キャンプ瑞慶覧(ロウワー・プラザ住宅地区)が含まれている。県はキャンプ桑江の返還が完了次第、整備に着工できるよう、18年5月に立ち入り調査を防衛局を通じ米軍に申請した。