輸入業のアバブスタイル(那覇市、稲葉悠代表)が、県内で捕獲されたサメの皮を使った製品作りに取り組んでいる。「RYUKYU SHARK」のブランドを設立して、県産のサメ皮製品として国内外に展開することを目指す。売り上げの一部を海洋保全のために寄付することも視野に入れる。稲葉代表は「メード・イン沖縄のブランドとして展開し、環境のために役立つ取り組みにもつなげる」と目標を掲げる。
県内では漁業被害を減らすため、サメの駆除が定期的に行われる。ヒレは食用として活用されるが、胴体部分などは焼却処分されるという。
アバブスタイルは駆除されたサメを有効に活用するため、皮製品の製造を企画した。
サメ皮製品は海外でも人気が高く、外国人観光客への販売も見込める。来年6月ごろをめどに、長財布やコインケースの製造・発売を予定する。
将来的には沖縄の伝統工芸品と連携した商品の開発も考えている。
サメの皮はなめらかな手触りと高い耐水性が特徴で、ほかの皮製品と同様に使い込むほどに柔らかくなり魅力が高まる。イタチザメなら最大で縦1・3メートル、横70センチの皮を取ることが可能という。皮に脱水や防腐の処理を施して、専門の業者が加工することで素材として使える。
稲葉代表は「駆除されたサメが処分されることに心を痛め、どうにか活用できないか考えていた。沖縄を訪れる外国人観光客にも販売できるはず」と語る。
製品販売に協力するMakato(那覇市)の与儀守清代表は「県産のサメ皮製品を世界に発信して、沖縄の土産品として定着させたい」と強調した。
(平安太一)