年度内にも中間報告 首里城復元委 委員長に高良氏


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首里城復元に向けた課題について話し合う技術検討委員会=27日、那覇市首里山川町のダブリツリーbyヒルトン那覇首里城

 首里城復元に向けた技術検討委員会は27日、那覇市のダブルツリーbyヒルトン那覇首里城で初会合を開き、本年度中にも中間報告を取りまとめ、政府に報告する方針を確認した。委員長には高良倉吉琉球大名誉教授が就任した。20年3月中旬までに3回目の検討委員会を開催する。委員会終了後、記者団の取材に応じた高良氏は「防火・防災対策が一番大きなテーマであることを確認した。往事の形の復元と防火対策をどう折り合いを付けるか議論がなされる」と強調した。

 衛藤晟一沖縄担当相は27日午前の記者会見で委員会について言及し「首里城復元に向けて大きな一歩を踏み出した」と述べた。

 技術検討委員会は防災、木材瓦類、彩色・彫刻の三つのワーキンググループを設置した。個別の技術的課題をグループ内で議論する。ワーキンググループには外部有識者も参加する予定。委員は10人で構成され、政府や県の担当者11人の協力委員も任命された。

 この日の議論について、高良委員長は前回の復元の基本的な考え方と防火・防災対策を中心に議論したことを明かした。高良委員長は「木造で再建することは共通認識だ。不燃材、燃えにくい木を使うのも一つのアイデアとしてあった」と述べた。委員からは首里城の歴史を明らかにするための発掘調査も提案されたが、平敷昭人教育長は世界遺産であることなどを理由に難色を示したという。