デビューの牧 攻守体張る キングス7連勝 Bリーグ第24戦


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琉球―島根 第4Q デビュー戦で活躍したキングスの牧隼利(手前)=29日、沖縄市体育館(喜瀨守昭撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは29日、沖縄市体育館で島根スサノオマジック(西地区5位)と今季第24戦を行い、89―69で勝利し7連勝とした。成績は17勝7敗となり、西地区1位に浮上した。前半からリバウンド数で上回ったキングスは、トランジションの速さや素早いパスの連係を見せ、第2クオーター(Q)で引き離し49―39。後半も流れを渡さなかった。同日がデビュー戦となった牧隼利はブロックショットやルーズボールへの飛び込みなど、随所で体を張り歓声を浴びた。キングス元練習生で島根のガードの神里和(小禄高―白鷗大出)もスピード感ある活躍を見せた。次戦は30日午後7時5分から同体育館で島根と対戦する。

 島根のタフショットを誘った後、守備リバウンドから素早いトランジションを発揮したキングスが第2Qから勢いづいた。中でも、デビュー戦となる牧隼利を中心に、攻守で体を張ったプレーがホームを沸かせ、勝利ムードをつくっていた。

 藤田HCは牧の活躍に「チームディフェンスにいい風を吹き込んでくれた」と、可能性ある選手の活躍に笑顔を見せた。

 序盤こそ守備で1対1からのドライブを許す場面もあったが、前半は相手の攻撃リバウンドを1に抑え、攻守の切り替えのトランジションを加速させた。並里成や長谷川智伸らの素早いパス回しからのシュートに、小野寺祥太がドライブを決める。キックアウトで外角弾の好機もつくるなど、4人が2桁得点を挙げて圧倒した。

 10得点の長谷川は「連勝中で練習からチームの雰囲気もいいが、もっと完璧を求めた方がベター」と、7連勝にも気の緩みは見せない。

 牧は合流直後ながら、約13分間のプレータイムでアシスト1、ブロックショット2、3点弾1本としっかりアピール。「激しい守備から素早いトランジションにいくキングスは自分に合っている。自分の持ち味であるピック&ロールからのシュートやアシストもどんどん出していきたい」とはつらつとした表情で語った。
 (嘉陽拓也)


琉球(17勝7敗)
 89―69(22―20,27―19,21―15,19―15)
島根(8勝17敗)

 【評】主導権を奪い合う時間帯に石崎巧が奮闘して立て直すと、第2Qは硬い守備から素早く攻撃に転じる強さを見せ、しっかり点差を離したキングス。後半も体を張る堅守を維持し続け、ゲームを掌握していた。

◆後半リズム取り戻せた

 藤田弘輝HC(キングス)の話 守備で苦しんだが、後半はリズムを取り戻して30失点に抑えたのはよかった。攻撃では、相手守備を寄せてからのキックアウトという、シンプルで細かいところができたおかげで、得点が分散できた。

◆攻撃終わり悪く走られた

 鈴木裕紀HC(島根)の話 攻撃の終わりが守備の始まりと言ってきたが、その終わりが悪くて琉球に走られてしまった。守備もポイントが絞れずにやられてしまった。神里和は前半は緊張していたが、後半は自分のスピードを生かしてくれた。