教育

保護者へ電話、報告書作成、家庭訪問… 教員、放課後も超多忙 部活顧問は残業不可避 県内小中・勤務実態アンケート

ICカードを読み取り機にかざして退勤を打刻する教員=本島中部の中学校

 当たり前となっている部活動、心配な生徒への対応、保護者への連絡―。本島中部のある中学校を訪ねると、長時間労働に陥っている教員の勤務実態が浮かび上がった。日中は過密なスケジュールに追われ、放課後は保護者の帰宅に合わせた電話や家庭訪問を繰り返す教員ら。教育委員会などから依頼される報告書の作成なども請け負いながら、日々の授業づくりに取り組んでいる。

 「これを見てください」と校長が取り出したのは、「教育相談」と書かれたぶ厚いファイル。中には、登校を渋ったり精神的に不安定になったりしている生徒の様子をまとめた資料がつづられているという。この学校では1学級当たり3、4人は不登校の傾向があり、教員らが注意深く観察している。

 教員の空き時間は1日6コマの授業のうち1コマだけ。その1コマは教育相談に関する教員同士の話し合いや会議などに充てられ、実質的に空き時間は皆無。必然的に、本来業務の教材研究やテストの採点作業は放課後に行うことになる。

 校長は「昔は非行への対応で忙しかったが、今はいじめや不登校が多い。保護者への連絡は保護者の仕事が終わった後になるので、どうしても遅い時間帯になる」と説明する。先日もある教員が午後6時すぎに「家庭訪問に行ってきます」と職員室を出て行ったという。

 日が暮れた午後6時、職員室にはまだ5、6人の教員が残っていた。終業時間は午後4時45分だが、パソコンでの資料作成や生徒に関する情報交換などでまだ仕事は終わりそうにない。誰かがまとめて注文したのか、複数のデスクに夜食用のチキンといなりずしが置かれていた。

 体育館ではまだ部活動が続いていた。部活動の時間は午後6時までと決められており、後片付けを終えた顧問が職員室に戻るのは午後6時半ごろ。その時点で1時間半ほどの残業が発生する。顧問になった教員は構造的に残業が避けられない。

 校長は「加配や支援員の配置はありがたいが、打ち合わせの時間が生まれてしまう。根本的には教員の数を増やさないと長時間労働はなくならないと思う。そして、学校だけでなく家庭や地域の協力も不可欠だ」と語った。
 (稲福政俊)



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