【識者談話】「地価下落の可能性も」 伴清敬(県不動産鑑定士協会業務委員長)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 好景気の中で沖縄ではアパートを中心に建築ラッシュが続いていた。金融機関も不動産融資に積極的で、土地活用のためにアパートを建てるケースも多かった。しかし今は融資の姿勢が厳しくなっているので、県内の着工戸数にも影響が出ている。

 県内はアパート需要が高く、2年前に県不動産鑑定士協会が実施したアンケートでは空室率5%以下の物件が県内全体の半数近くを占めていた。しかし、本島中部では空室率10%以上の割合が高く、計画以下の収益となっている物件もあった。当時からアパートが増えすぎているとの指摘があったが、建設は続けられた。

 宮古地区はホテルなど大型工事があったため、どんどんアパートが建った。工事に関わる労働者がたくさん来るので物件不足も指摘されるようになった。しかし工事が一段落し、労働者が引き上げた後の空室率増加を懸念する意見も聞こえている。今後は宮古でアパート建築が落ち着くとの見方もある。

 アパートは供給過剰の指摘もあるが、新築物件の需要は高い。一方で築年数の長い物件は苦戦が予想される。住宅着工数の減少は地価にもある程度、影響を与えると考えられる。今後、地価が下がるという意見も以前より増えている。