知念躍進の年に「代表入り目指して頑張る」 新天地、J1大分で挑む


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 J1川崎フロンターレから大分トリニータへ期限付きで移籍したFW知念慶(24)=知念高―愛知学院大出=が11日、大分市の大分県サッカー協会スポーツ公園で汗を流した。この日がチーム全体の始動日で、多くのファンと報道陣が駆け付けた。終始、真剣な表情でボールと向き合う知念。昨季はリーグ21試合出場で5得点の活躍だった。「多少は自信がついたが、まだやれる。(日本)代表入りを目指して頑張りたい」。トップカテゴリーで競り合う県出身ストライカーは現状にまだまだ満足しておらず、さらなる高みを見据えていた。

新天地の大分トリニータで練習に汗を流す知念慶(左)=11日、大分市の大分県サッカー協会スポーツ公園(喜屋武研伍撮影)

 昨季はブレイクの兆しを見せた。2連覇中の川崎は、開幕から4戦未勝利と低調なスタートだった。だが知念が第5節・松本山雅戦から4試合連続で得点するなどして、息を吹き返させた。ゴール前の嗅覚もさることながら、相手DFとの競り合いで負けない、体の強さでゴール前の「迫力」を表現した。

 国内最強チームで、一時はレギュラーに定着しかけたが、リーグ中盤でコンディション不良に陥ると「競争に負けた」。小林悠やレアンドロ・ダミアンら強力なFWとの熾烈(しれつ)なポジション争いに屈した。今季は大分で武者修行することとなった。

 大分のサッカーを知念は「相手を引きつけるパス回しから、(戦況を)ひっくり返すような攻撃をする」と分析する。6年ぶりにJ1に復帰し、夏まで好調だったものの、エース藤本憲明がヴィッセル神戸へと電撃移籍。得点力不足で失速し、9位の結果となった。

 片野坂知宏監督は知念の魅力について「得点を取れるところ。チームに貢献してくれるだろう」と期待を寄せている。知念は「(得点力不足を)自分が入って解決したい。1日でも早くゴールを決め、2桁得点を目指したい」とやる気を見せた。ことしこそ、躍進の年にしてみせる覚悟だ。

(喜屋武研伍)