選抜出場校あす決定 高校野球 21世紀枠に本部推薦 少数精鋭、団結ピカイチ


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
練習に励む本部高校野球部のメンバーら=22日、本部町の同校(喜瀨守昭撮影)

 今春の第92回選抜高校野球大会(3月19~31日・甲子園)の出場32校が24日に大阪市内で開かれる選考委員会で決定する。一般選考29校と21世紀枠3校を選ぶ。21世紀枠候補9校には九州地区から本部が初選出された。選ばれれば県勢の選抜出場は2015年の糸満以来。21世紀枠では2001年の宜野座以来19年ぶりとなる。本部としては初の甲子園出場が懸かり、県民、地域の期待も高まる。選考委を前に、熱が入る練習の様子を取材した。(上江洲真梨子)

 本部町内で唯一の高校は瀬底大橋を望む小高い丘にそびえ立つ。「小さな学校から大きな夢」とOBから贈られた横断幕をグラウンドに掲げ、本部ナインは平日5時間、土日は約9時間の練習をこなす。部員17人、マネジャー1人の少数精鋭だが、その半数以上が幼稚園からの幼なじみ。紅一点、平安山海マネジャーは「団結力、仲の良さはピカイチ」と家族よりも長い時間を共に過ごすチームの特長を教えてくれた。

 仲の良さだけではない。主力の2年は、中学3年時に県中学総体で4強入りを果たした。川田莉空投手は「そのメンバーで『甲子園に行きたい』というのが中学からの夢だった。本部中時代のメンバーはほぼ本部高校に来た」と甲子園のグラウンドに立ちたいという共通の夢を追ってきた。

 本部の真骨頂は“小技の妙”にある。昨夏の県新人中央大会の準々決勝、強豪・興南とのカード。1点を追う本部は犠打を絡めて2点を追加し、劇的な逆転勝利を収めた。

 投手陣にも磨きがかかっている。21世紀枠で初めて甲子園出場を果たした宜野座を率いた奥濱正さんが部長を務め、投手育成に励む。01年に甲子園を沸かせた、縦に大きく曲がる「宜野座カーブ」を直伝。カーブの習得に苦労しているという主将の幸地怜央投手は「球速もあるカーブ。ボールにしっかりと指がかかっていないと縦に変化しない」と習得にいそしむ。

 吉報は、ただひたすらの練習の先にあると、愚直にボールを追い、グラウンドを駆けていた。