生前葬で絆より強く 普天間高校14期生でつくる「なつかしゴルフ」 活動20年で幕 「元気なうちに」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
生前葬の告別式を楽しむ、普天間高校14期生を中心につくるゴルフ愛好団体「なつかしゴルフ」のメンバーたち=12月、宜野湾市内

 【宜野湾】「自らの死に水は自らで取ろう!」をキャッチフレーズに普天間高校14期生を中心につくるゴルフ愛好団体「なつかしゴルフ」がこのほど、結成20年の節目を迎え、「生前葬大会」を開いた。最終コンペに臨んだメンバーたちは早朝からクラブを握り、夜を徹して開かれた“告別式”では酒を酌み交わしながら思い出を語り合った。

 結成は2000年7月。メンバーの入れ替わりは多少ありながらも、12人を維持した。ほとんどが70代半ばにさしかかり、親の介護、本人の腰痛や骨折、脱腸、糖尿病など幾多の困難を経験しつつ、青春時代に育んだ友情とゴルフ愛で継続。ラウンド数は10年には100回、19年には208回に及んだ。一方で、加齢による組織の弱体化は否めず、「雲散霧消よりは比較的元気なうちにけじめをつけよう」と生前葬を企画した。

 コンペを楽しんだ後は、母校の普天間高校近くのカラオケスナックに集合し、儀式を開催した。喪主で代表幹事の名幸宏明さん(76)の「自らの手で自らの死に水を取ろうという、大胆かつ悲壮な決意の下で執り行う。惜別の寂しさを爆発させ、安らかな成仏と冥福を」のあいさつでスタート。会計幹事の仲村将順さん(76)が「今までの華やかな時代は二度と戻ってこないのが残念です」と語りながら、最後の香料を徴収した。

 有銘清さん(69)によるお別れ供養の読経のあと、参加者全員で焼香し、20年の幕を閉じた。3月には元メンバーらも一堂に会する「うわいずーこー」も予定している。名幸さんは「それで本当に最後。厳粛かつにぎやかに行うよ」と笑った。
 (新垣若菜)