1月下旬に入っても県内は暖かい日が続いている。1~22日までの那覇市の最高気温の平均は21.3度で、記録的暖冬だった昨年1月よりも0.6度高い。原因は何なのか。沖縄気象台によると、平年よりも蛇行している偏西風が鍵を握るという。
気象台によると、この冬はインド洋西部の海面水温が高く積乱雲が発達しやすい状態が続いている。積乱雲が発達すると上空では北向きに風が吹く。この影響で偏西風が蛇行を始め、中国付近では南を、日本付近では北を流れている。
ではなぜ、偏西風が蛇行すると暖かくなるのか。偏西風が南に蛇行する中国付近では低気圧が発生するため、日本に寒気を送り込むシベリア高気圧が南に張り出しにくくなっている。逆に北海道の東側の北太平洋・アリューシャン列島付近の低気圧は、平年より北東に押し出されている。
このため、冬型の気圧配置といわれる「西高東低」が長続きせず、日本付近への寒気の流れ込みが弱いのだという。さらに、赤道付近の海面水温が高いことで日本の南で高気圧が強まっている。この高気圧の南の縁に沿って沖縄地方に暖かい空気が流れ込み、気温が上がっているという。
23日の県内は高気圧に覆われて晴れ、南から暖かい空気が流れ込んだことで気温が上がった。竹富町の西表島では平年より6.2度高い26.5度を記録するなど、県内26観測地点のうち17地点で25度以上の夏日になった。本島地方でも国頭村奥で同7.2度高い24.1度、那覇市でも同5.5度高い24.7度を記録するなど、4月上旬から5月上旬並みの暖かさとなった。気象台によると、来週初めごろまでは気温が高い状態が続き、半ばごろからは平年並みとなる見通し。