小中一貫校なのに中学に入学できない 校区外の定員減で児童の一部 保護者から不満


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 2020年度に中学に進む那覇市立壺屋小学校の児童の一部で、小中一貫教育で連携する市立神原中学校を希望しても入学できない事例が出ている。入学できないのは神原中校区外の児童。19年度までは隣接校選択制の定員に余裕があったため希望者全員が入学できたが、20年度は定員が減り、抽選で落ちる児童が出た。市によると、保護者から「小中一貫なのになぜ入学できないのか」と不満が寄せられたという。

 市は中学入学時の不安解消や学力向上を目指し、12年度から小中一貫教育を実施。神原中、神原小、壺屋小は交流活動などに取り組んでいる。市は「小中一貫教育は中学の雰囲気に慣れるためのもので、必ずしもその中学に入れるわけではない」とするが、その説明を小中一貫教育の中でしていなかった。今後は丁寧に説明するという。

 神原中校区では新たに市営住宅が建設され、20年度入学希望者の増加が予想されている。そのため市と学校が相談し、昨年7月に隣接校選択制の定員減を決めた。市は定員について8月にホームページで、10月に文書で保護者に通知した。市の担当者は「広報のやり方が従来通りというのも問題かと思う。昨年と違うということが保護者へ十分に伝わっていなかったかもしれない」とした。