中皮腫の悩み共有を 25日、那覇で相談会 闘病を続ける女性が知ってほしいこととは…


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 アスベスト(石綿)が原因で発症する中皮腫やアスベストによる健康被害について情報交換する相談会が、25日午前10時から那覇市久米の県青年会館で開かれる。大阪市の中皮腫サポートキャラバン隊による初めての取り組み。午後3時からは約15年の中皮腫闘病を続ける浦添市の賀川真弓さん(42)が自身の闘病生活や病への向き合い方などを講話する。賀川さんは「私は治療を継続できている。診断を受けても諦めないでほしい」と話し、多くの参加を呼び掛けた。

中皮腫を発症し治療を続ける賀川真弓さん。「いろいろ望みはある。諦めないで」と同じ境遇にある人たちへ思いを語った=22日、琉球新報社

 中皮腫は中皮細胞から発生するがんで、賀川さんが発症したのは「腹膜悪性中皮腫」だった。26歳の時に判明したが当時は適した治療法が分からず、県内で手術できる環境もなかった。

 主治医と相談し、ある種類の抗がん剤による治療を選択。約3年の入院で腫瘍は小さくなった。散らばるように約30個の腫瘍を抱え全摘は難しいと分かっていたが、県外の病院で手術に挑んだ。摘出は成功し、転移を防ぐため周囲の臓器の一部も切除した。しかし4年前に再発し、再び手術したが全ては取り除くことができず、現在も治療を続けている。

 発症時はどんな病か分からず、漠然とがんの一つという認識だった。そこでインターネットで検索すると「余命が短い」など悲観的な内容ばかりで、病について調べることをやめた。入院中は強い薬の影響で吐き気や食欲不振に苦しんだが、乗り越えると一週間後には元気になった。「最初はつらかったが元気になるのは分かっているので、前向きに頑張れた」と笑う。

 県内では復帰前後に米軍基地内でアスベストを含む資材が使われ、労働者が肺がんを発症する事例が報告されている。賀川さんは「症例が少なく中皮腫や国の救済法はあまり知られていないと思う。肺がんの人もアスベストが原因の可能性がある。いろいろ望みはあると思う。ぜひ相談会を活用してほしい」と話した。

(謝花史哲)