リゾート地区にクルーズ岸壁配置を提案 軍港移設で那覇港組合 浦添市は難色


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 浦添市への軍港配置に影響する港湾計画を検討しようと、那覇港管理組合や県、那覇市、浦添市で構成する「浦添ふ頭地区調整検討会議(検討会議)」が23日、那覇市の那覇港管理組合で開かれた。那覇港管理組合は那覇軍港移設協議会で議論するとされていた二つの配置案ではなく、現行港湾計画を基に、リゾートエリア側にクルーズ岸壁を配置する案をたたき台として提示した。

 浦添市の担当者は会議後、本紙の取材に「富裕層を取り込むためにビーチを作るなら、サンセットが望めないといけない」と提示された案に難色を示しており、次回以降の会議で改めて議論するとみられる。

 非公開で開催された会議でクルーズ岸壁の配置案が挙がったのは浦添コースタルリゾート地区で、浦添ふ頭地区の北側に位置する。ビーチやマリーナ、ホテルなどの交流厚生施設の整備を検討している地区で、組合側は「物流の岸壁とは離れた人流が近い場所にクルーズ岸壁を配置した」と説明している。

 現在は貨物コンテナが来る岸壁でクルーズ船を受け入れている。物流関係車両の行き来による安全性確保の課題や、ターミナルビルなどの受け入れ体制が整わないことを考え、物流の岸壁とは離れた配置を提示した。

 新しい港湾計画を作るに際し、前回の検討会議では現状の課題の整理や沖縄21世紀ビジョン基本計画およびアジア経済戦略構想を踏まえ、浦添ふ頭地区を「世界水準」「ラグジュアリー」などと位置づけ、構成団体で確認した。

 今回組合が提示した配置案に対し「世界水準のリゾートに合ったクルーズ船の受け入れを考えた方がいい」などの意見もあった。